◆思い出に残っている結婚式◆

カナダでトレッキング中にこんな結婚式に遭遇しました。
夏のスキー場にテント が張られ、友達に囲まれた結婚式。
新郎と新婦のふたりの出会いは、3年前の 冬。そのスキー場。
自分たちの出会いの場所が、自分たちの人生の本当の出発点。だから、出会いの場所に牧師を依頼し友人たちに囲まれた結婚式だったそうです。
通りすがりの私を呼びとめて、二人の幸せのお裾分けとしてビールを御馳走して くれました。

「二人だけの挙式は可能ですか?」の問い合わせで相談に乗った結婚式。
いまでも、大切にしている結婚式の思いです。本当に美しい挙式となりました。
豊島園の近く。アパートの4畳半でした。
「友人がカナダに移住します。二人には、結婚式にかけるお金がなさそうなので 我々友人のプレゼントにしたいのですが来てもらえますか?」
「いつですか?」
「今夜ですが・・・」
「ハッ、ハイ。いいですよ。どこでしょうか?」
「20:30分から広尾です。しかも、サプライズで・・・」
そして結婚式は、15人入ると一杯のチャーミングなバーでした。
そして、最高だったのは、友人達が二人のために段ボールで作った聖壇と十字 架、そして、最後の新郎新婦の豪泣の涙でした。


一般の家庭で和室ですが牧師先生がきて式を挙げてもらえますか?の問い合わせ。
今までに、良いことも、そうでないことも、いっぱい、いろいろ、あったようです。
どうしても、彼は、結婚式を自分たちのけじめとしてしたかったそうです。 これから生まれる赤ちゃんのためにも・・・
彼の自宅の8畳の間。和室に並べられていた座布団にそれぞれが座り始めた時、 そこは素晴らしいいチャペルになりました。
素晴らしさは、建物から生まれるの でなく、特定の場所からでなく、本物の「ひとの心が集まったところ」から生ま れると思います。

もう長くはない新郎の病気のお父様。
お医者様との付き添いで外出できる病院の 一番近くのレストランが結婚式場になりました。式と披露宴を一つにまとめたプ ログラムは、とても、とてもチャーミングでした。みんなが穏やかに、やさしく 輝いていました。
…二人が選んだ入場の曲は、お父様へのプレゼント曲でした・・・

伝統的な儀式よりも、自分たちが意味を感じられる儀式をしたいとの相談。
仲良い二人が牧師と一緒に作り上げたのは、牧師を司婚者にした「集まってくれ た人たちを証人として」の「人前式」でした。
自分が牧師としての30年以上をふりかえったとき、いまでも、耳に聞こえてくる 新婦入場の曲は、新婦の友人がアカペラでソロで歌ったラブミーテンダーでした。
心からのプレゼント=捧げものは、どんなプロもかないませんね。